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【傍聴記】令和3年度第1回三田市総合教育会議
――6月に「意見交換会」開催

「三田市立幼稚園再編計画」について,4月9日(金)開催の令和3年度第1回三田市総合教育会議にて協議されましたので,傍聴した結果をご報告申し上げます(議事録は,近日中に市長より「遅滞なく」公表されます)。

昨年9~10月に各地で開催された説明会の結果を受け,三田市では以下のとおり詳細な議事録を作成公開し,意見・課題をまとめられました。今回の総合教育会議では,このうち特に「少子高齢化が進む農村地域での子育て環境のあり方について」教育委員に意見を求めました。

三田市としては,地域住民からの意見を踏まえ,農村地域での子育て環境をよりよくするためには,どのような理念や証拠にもとづいて,どのような再編を検討・主張すればよいのかについて,委員それぞれのお立場からの知見を得たいと求められたものと思います。

しかし,各委員からは,もっぱら個人的な印象や経験にのみ基づいた意見が繰り返され,「少子高齢化が進む農村地域での子育て環境のあり方について」は参考となる新たな知見を私には聞き取ることができませんでした。

三田市市長以下こども未来部が,おそらく総力をあげて説明会での多岐にわたる意見を検討し課題としてまとめてきたのに対して,それらの資料を各委員が十分に読み込んだとは思えず,たいへん残念な気持ちになりました。

教育委員には「専門的な行政官で構成される事務局を指揮監督する、いわゆるレイマンコントロールの仕組みにより、専門家の判断のみによらない、広く地域住民の意向を反映した教育行政を実現」する役割があります(文科省「教育委員会制度について」より)。教育委員には,集約された地域住民の意向を十二分に理解して協議・調整されるよう,強く望まずにはおれません。

さて,今後のスケジュールとしては,6月頃を目途に地域で「意見交換会」が開催されるとのことです。市からの新しい提案・資料提示があるかと思います。

加えて,市立学校再編計画の進め方についての「報告」もありました。中学校再編については,地域協議会での粘り強い議論によって新しい結論を導かれたことに改めて深い敬意を表します。(ここから当方退席のため配布資料のみに基づく感想)一方関連して,小中一貫校化などによる小学校再編,中学校区を基本とする地域単位の再編,など,三田市農村地域の各小学校のみならず,農村部各地区共同体の存続そのものにかかわるテーマも提起されており,引き続き注視していかねばなりません。

ちなみに,校・園の統合理由として,保護者一人あたりの校・園行事関与の負担を軽減するため,という意見があり,驚きました。保護者が校・園行事に関わるのは,本来的にも実質的にも,楽しく嬉しく幸せでしかないひとときです。これを「負担」と呼ぶのは関与のあり方・させ方に何かしら問題があるからであって,校・園を統合したところで問題は変わりません。各園・各校・各地区がこれからも豊かに在り続けられるためにも,楽しく嬉しく幸せでしかない校園・地域・保護者間の関係をひきつづき希求してまいりましょう。(担当:牲川慶)